こんにちは。ハルです。
今回は6月2日放送の「カンブリア宮殿」に登場する 『ラクスル』についてです。
創業から わずか12年という若い会社が、年商300億円 を超える メガベンチャーに。
その驚愕の仕組みを見ていきます。
ラクスル
「ラクスル」テレビCM でお馴染みですね。
「早い!」「安い!」「簡単!」と人気の印刷サービスの会社です。
いままで『印刷』といえば、大量注文が基本で、個人や小さな商店などが
「チラシ」や「ポスター」を作るのは、とてもハードルが高かったのですが、
『ラクスル』では、1枚からでもネットで簡単に注文ができて、早ければ翌日に自宅まで届く!
取引が成立した印刷案件ごとに「ラクスル」は手数料をもらうシステムになっています。
これまで効率の悪かった「印刷業界」に変革を起こしたのが 『ラクスル』なのです。
『ラクスル』のすごいところ。。。
「ラクスル」は ぱっと見では、普通の 「オンラインで発注可能な印刷サービス」ですが
発注を受けたあと、自社の工場ではなく 提携しネットワーク化した全国の印刷会社に
印刷をお願いして、ユーザーの手元には 仕上がった印刷物が届きます。
つまり、「ラクスル」は印刷物の発注だけを受けて、稼働率に余裕のある印刷所に割り振るという形をとっているのです。
印刷物の種類や部数によって、自動で振り分けるシステムを作ることで
激安の価格を実現するのに成功しました。
松本社長は、当時の印刷業会をこのように言っています。
印刷業界を詳しく調べてみると、6兆円規模の市場に対して大手2社で市場の5割、3兆円を占めていました。残りを3万社ある印刷会社で奪い合っていた。中小企業が多く、下請けの仕事がかなりを占めていた。大手2社の売り上げの7割超が外注費に回っていて、多重下請け構造だったわけです。
もう1つ気付いたのが、装置産業なのに稼働率が4割を切っていること。印刷機1台は何億円もする高い買い物なのに稼働していないのは非効率です。インターネットを駆使して空き時間をうまく活用すれば、多重下請け構造がなくなり、印刷を低コストで提供できるようになるのではと思ったのがきっかけです。
引用:日経ビジネス https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00027/022200012/?P=2
この寡占状態こそが非効率の元凶だとだと気がついた 松本社長は
「小規模印刷会社がもっと効率的に印刷注文をこなせないだろうか」と考え、
彼は 1社1社の印刷会社 と個別に交渉して、オンラインプラットフォームに参入してもらえるように働きかけたのです。
稼働率の低い印刷機を持つ印刷会社とユーザーをマッチングすることで、
ユーザーは印刷コストを削減出来るだけでなく、印刷会社の設備稼働率も高まる。

つまり、印刷機の『スキマ時間』に印刷を頼むのです。

印刷機は規格で定められた仕上がり寸法に沿って印刷を行うため、A4ならA4のサイズをまとめて印刷するのが基本です。そのため、発注部数によってはかなりのロスが出ることも問題でした。
ラクスルではこうした課題を解決するために、複数のお客さまからの別々の注文をまとめて処理することで、作業の細分化を防いでいます。お客さまは少部数のチラシを低コストで制作でき、印刷会社は用紙のロスを削減できます。双方メリットを享受できるのです。
引用:ネットショップ担当者フォーラム https://netshop.impress.co.jp/node/9181
創業者:松本恭攝(まつもとやすかね)社長
1984年10月10日 富山県生まれ。
慶應義塾大学 商学部卒業。
2008年、「A .T.カーニー」へ入社。
2009年、「ラクスル」印刷のシェアリングサービス を創業。
2010年、印刷会社の通販価格比較サイト「印刷比較.com」の運営を開始。
2015年、「ハコベル」物流のシェアリングサービス を展開。
2018年、東証マザーズ、 2019年、東証一部上場。
2020年、広告のプラットフォーム「ノバセル」 を開始。
この松本社長さん、若いとはいえ 「行動がすこぶる速い」方ですね。
家族、親戚のほとんどが 「公務員」なのだそうですが、
「現状で安心」、「特に変えなくても」という思考はなさそうです。。。。

松本社長は、大学卒業後に新卒で大手のコンサルティング会社に入り、その1年後に起業しています。
” 起業 ” に対するマインドのきっかけとなった経験が大学時代にあるそうです。
大学時代に経験した中で1つ大きかったのは、(国際ビジネスコンテストを運営する)学生団体「OVAL」を立ち上げたことです。日本・韓国・中国を巻き込んだ大規模なイベントを成功させたことが、「ゼロイチ」(ゼロからイチを生む)の経験になりました。「ゼロイチって自分にもできるんだ」と感じましたね。
引用:日経ビジネス https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00298/080500024/
シリコンバレーへの憧れ
2007年から カナダ・バンクーバーに語学留学していた彼は、
2005年の 米・アップル 創業者 スティーブ・ジョブズの有名な演説(スタンフォード大学の卒業式で)を英語の勉強として聞きます。
『ステイ・ハングリー、ステイ・フーリッシュ』
松本氏が滞在していた カナダ では、当時「フェイスブック」がメジャーなメジャーな SNS として
台頭してきたこともあって、シリコンバレーに行ってみたいという気持ちが強くなった彼は、
多くの起業家に 直接メールを送って会う約束を取り付けたのです。
凄くないですか? この瞬発力!
多くの起業家や、エンジニア、投資家と直接会って対話した事によって、” 起業 ” に憧れを抱くのですが、コンサル会社の内定が決まっていた事や
当時「ライブドア事件」があった事などで、スタートアップに対して良いイメージがなかったのだそうです。
やっている企業がないから、起業へ
コンサル会社に入社してすぐに、「リーマンショック」が起きます。
どの企業も、売り上げを伸ばすための努力よりも、いかにコストを削減するかという事に必死になっていました。
コンサル会社に入りましたが、入社したらすぐにリーマン・ショックが起き、トップライン(売上高)を伸ばすという攻めの提案ではなく、いかにボトムライン(最終損益)を改善するかの守りの提案が主でした。私自身、コスト削減系のプロジェクトを多く調べている中で、印刷業界が非効率だということに気づきました。印刷業界を変える仕組みをつくればビジネスが成立するのではと考えたわけです。
引用:日経ビジネス https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00298/080500024/?P=2
そして、ここからが松本社長の ”行動力” ”瞬発力”の発揮です!
私自身は目の前にある課題を解決したかったんです。そこで、先行して課題解決に挑んでいる企業を探したのですがありませんでした。転職先がないのなら、自分でつくろうと考えて起業しただけです。もし当時「ラクスル」があれば転職していたと思いますよ。
引用:日経ビジネス https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00298/080500024/?P=2
『仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる』というビジョンを会社設立時に掲げるのです。
社内では、「役立つものをつくろうよ」と話しているのだとか。。。
他の人と同じことに取り組んでも、我々よりもっとうまくできる人がいるはずなので、収益は出しづらい。古くからやってきた人が有利になります。そうではなく新しいやり方で、お客様の役に立っているかどうかを徹底的に考えています。
大事なのはお客様の課題を解決しているか、実際に使ってもらえるかという現場感ですね。
引用:日経ビジネス https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00298/080500024/?P=2
さらなる変革へ
松本社長は、「印刷業界」だけでなく、「物流業界」「広告業界」へも仕組みを変えることで
さらなるビジネスを広げて行っています。
❖❖ 運送業界 :運送トラックの 「空き時間」を利用した ”スキマビジネス”。
発想の原理は同じです!

❖❖ 広告:テレビCMの制作 出来れば「テレビCM」をやってみたかった地方の中規模の会社。
⬇︎ ⬇︎ ⬇︎
問題は 制作費!
全てを撮影しなくても、会社が撮りためて持っている(動画・写真)の素材を使うことで経費の削減。
一本、 約100万で テレビCM が作れることに。。。
ほんと、”スキマ” の見つけ方が素晴らしいですよね。
まとめ!
今回は、年商300億円 を超える メガベンチャーである『ラクスル』と、
その創業者の 松本 恭攝(まつもとやすかね)社長を調べてみました。
20代半ばで起業し、若者らしく熱意と瞬発力を発揮して自分の目指す目的に向かっていく方でしたね。
「課題を解決したい」から始まる、まさに『仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる』
の実践とはこういう事なのだなと。。。
やはり、気付き からの 行動 が速いです。
なんだか、新しいシステムを知っているだけで 前から人がやっていた物をすくって
美味しいところだけをもらっていくようなイメージを持つ方もいるかも知れないですが、 (資本主義ですから)
本質的な効率化を実現するためには かなり泥臭く、現場と向き合う姿勢が大切で
昔からの伝統的なやり方を重視している現場にとって「ネット印刷」という新しいニーズに応えられるように
パートナーである企業の生産現場に入り込み、一緒になってオペレーションや生産体制の効率化を
試行錯誤していく。
ただただ、「便利なツール」を持って行っても受け入れられないでしょう。
片方だけの 正義 では成り立たないのです。
お互いが プロであることへのリスペクトの念を持ち続けることが一番大切なのだとおっしゃっていましたね。
どんな取引も、人と人とがお互いの信頼関係を持ってするべき物なのだと。
「世の中を良くする」この思いが結果、人と人を繋げられる。
便利なインターネットを使ってのビジネスですが、結局は 『人』。
頼もしい限りです。
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