「カンブリア宮殿」『ヤッホーブルーイング』社長・井出直行さんの経歴と戦略!

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こんにちは。ハルです。

今回は「ヤッホーブルーイング」という会社。

みなさんも巷で「水曜日のネコ」「よなよなエール」「インドの青鬼」などなど、

ちょっと変わった名前のビールを見かけたことがあるかも知れません。

そうです。

「ヤッホーブルーイング」は、クラフトビールの会社で その業界では超有名。

現在は、大手ビール会社とのコラボなどでますます勢いをつけていますね。

しかし、創業から8年ぐらいの間「赤字」続きで ”倒産寸前” だった時があったのだそうです。

それでは、一緒に見ていきましょう!

井出直行(いでなおゆき)さんの経歴

1967年生まれ。福岡県出身。

国立久留米工業高等専門学校卒業。

大手電気機器メーカー・広告代理店などを経て

1997年「ヤッホーブルーイング」の創業時に営業担当として入社。

「星野リゾート」代表・星野佳路さんよりバトンを受け取り、

2008年、同社代表取締役社長に就任。

井手直行の履歴書
引用:ぼくらの履歴書 https://employment.en-japan.com/myresume/entry/2019/10/28/103000

井出直行さんのキャリアは、本人曰く、

『あまり深く考えていなかった、行き当たりばったりだった。』という。

機械も音楽も好きだから、「お、世界シェアトップクラス。いいねぇ!」なんて、

オーディオ機器のメーカーに入って、配属されたのはパソコン周辺機器の部署。

それはそれで花形部門だから、いいか!とエンジニアとして5年勤めました。

それからもっと社会に貢献できるような仕事をしたいと考えて、

環境アセスメントの会社に転職したんです。

でも、入社してみるとまったく話が違ったというか、

世の中うまくいかないもんだなぁ、と現実に直面して……

半年でその会社を辞めました。

引用:ぼくらの履歴書 https://employment.en-japan.com/myresume/entry/2019/10/28/103000

そして、行き当たりばったりの旅の末に

『自然の豊かな場所で働こう!』

どこに住むかと考えたときには、地元は暑いから「北海道か信州」

という、何ともざっくりな思いつきで軽井沢に向かったそうです。

それなりに満足していた仕事だった「広告会社」の仕事も、

”社長の奥様との喧嘩” というキッカケからその後、辞めることに。。。。。

長野に行き着く前のように、フラフラしながら ”パチンコ”でお金を工面したりの生活だったそうです。

正直、驚きの経歴、、、だと思いませんか?

有名なビール会社の社長の経歴ともなれば、、、

普通に、そうそうたる経歴が出てくるのがほとんど。

そんな井出直之さんのもとへ、「星野リゾート」代表の星野佳路(ほしのよしはる)さんからの

スカウトの話が来たというのです。。。。

『ビール事業を立ち上げ立ち上げようとしていて、ぜひ一緒にやらないか。』

井出さんは入社する前の自身のことを、

「常識のないヤツだった。僕だったら採用しない。」

というほど、世間的に暗黙のルールとも言える「面接の受け答え」もありえないやり取りで

人事の面々の顔はひきつり、途中で星野氏がなだめに入るまでに、、、、

では、井出さんのどんな所に星野氏は期待してスカウトまでしたのでしょうか???

井出直之さんについての取材に答えた星野さんの言葉です。

オーナー企業を継いで数年経ち、会社を改革しようとしていたけど、

先代の頃から勤めている社員の中には、上からの指示に応えるだけの

イエスマンも多く、やはり忖度が働く。

そんなとき、僕のようにイヤなことはイヤと言うし、

星野に対して率直に物申すヤツは、新鮮だったようです。

明らかな異分子を入れることが、会社にもプラスになるんじゃないか、と。

引用:ぼくらの履歴書 https://employment.en-japan.com/myresume/entry/2019/10/28/103000

ヤッホーブルーイング

Amber Ale, India Pale Ale and a Bitter Ale

「ヤッホーブルーイング」に入社した30歳ごろ、世間は「地ビール」のブームで

ビールは作ったそばから すぐに注文が殺到してその対応に追われるほどで、

生産量よりも受注量が上回っていて、営業などそれほどしなくても

バンバン売れていたという。

そうですね。

その頃は、各地で何かしら「地ビール」があって、アレコレ飲み比べしていたのを覚えています。

「地ビール」ブームが終わると、、、

ブームが終わると、それまで苦労せずに売れていたことで ”どん底”を味わうことになります。

当時を振り返ると、僕自身もひどかったんです。

苦労せずに売れたもんだから、勘違いしてしまった。

大手の問屋さんがわざわざここまで来られて、「なんとか売ってくれませんか」と

頭を下げるのに対し、「いやぁ、他社さんの条件のほうがいいんですよ。

おたくに売るなんて……」と、若造が年配の方に、横柄な態度を取ってしまった。

それが、一気にブームが冷え込むと、立場は大逆転ですよ。

僕が営業に行っても、「もう、おまえのところのはいらねぇよ」

「いまだから言うけど、あのときの井手さんの態度、忘れてないからね」と、

冷ややかな対応。

ビールがどうこうと言うより、僕に対する風当たりもキツかったんです。

引用:ぼくらの履歴書 https://employment.en-japan.com/myresume/entry/2019/10/28/103000

「もういらない」と消費者からの返品、売れずに卸した業者からの返品、

倉庫をどんどん埋め尽くす返品されたビールの山、、、

それをどうすることも出来ずに、工場でビールを1本1本 手で開けて排水溝に捨てていたそうです。

❖ 製造場所で廃棄することで、収めた酒税が戻ってくるというもの

(350ml1本につき約80円)

社員もどんどん辞めていき、もう倒産寸前の状態です。

どん底からの”大復活”

井出さんは、ついに星野さんに泣きついたそうです。

星野代表の返事は、、、

「とことんやってみようよ、まだやれることがあるんじゃない?

それでダメだったら、会社を畳んで、湯川で釣りでもして余生を暮らそうじゃないか」

引用:ぼくらの履歴書 https://employment.en-japan.com/myresume/entry/2019/10/28/103000

『クラフトビールの会社を続けていくことが大事なのではなくて、

”目指す世界” に到達することが大事。』

そういわれたのだそうです。。。

ある時、辞めた社員のロッカーを整理していると、ある人からの「手紙」を見つけたそうです。

『楽天』の三木谷ひろし浩史(みきたにひろし)社長からの手紙でした。

” インターネットで一緒に世界を目指しましょう! ”

同じ1997年創業の「楽天」と「ヤッホーブルーイング」。

「楽天」に出店した当時にいただいた手紙だったそうです。

出店したままおざなりになっていた「ネット通販」。

ここから 井出社長は、「インターネット通販しかない!」と腹をくくって

大胆な戦略に出ることを決意します。

『お帰りなさい!夫婦で50年幸せセット』

(夫婦2人で「よなよなエール」を毎月2ケース × 50年分間 毎月お届け!)

通常よりも300万円安く、450万円で売り出したのです。

この前代未聞の企画は、売れはしませんでしたが、かなりの話題に、、、、

「よなよなエール」の缶を使った面白写真のコンテストを企画したり、

「メルマガ」をはじめ、「楽天市場ショップ」のページを

徹底的にファンが楽しめる内容にリニューアルするなど、、、

なにしろ、お客さんの目にとまる企画を作り出していくうちに、

様子が変わっていったそうです。。。。

売りたいと思って、「お中元にどうですか?」「夏だから飲んで。」

と言っていた時にはいっこうに注文は来なかったのに、

不思議なことに、、、注文は増えていったそうです。

『「楽天」のショップ・オブ・ザ・イヤー』に10年連続で選出されました。

毎回、井出さんが着ぐるみを着て仮装しての授賞式も評判に。。。。

引用:日経クロストレンド https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/watch/00013/01808/?SS=imgview&FD=1422774646

引用:SUPER CEO https://superceo.jp/tokusyu/domestic/100372

『ファン戦略です』

井出社長がいうには、「ヤッホーブルーイング」は、飲料メーカーではなく、

『ビールを中心とした、エンターテイメント』だと思っていると。

コロナ前には、5000人が集まるイベントを開催するなど、

徹底してファンを取り込む戦略で 成長していったのです。

引用:ヤッホーブルーイング https://yohobrewing.com/%E9%96%8B%E5%82%AC%E6%A6%82%E8%A6%81%E6%B1%BA%E5%AE%9A%EF%BC%81%E3%80%8C%E3%82%88%E3%81%AA%E3%82%88%E3%81%AA%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E8%B6%85%E5%AE%B4-in-%E6%96%B0%E7%B7%91%E3%81%AE/

「革新的であること」「スタッフの顔が見えていること」「味が個性的であること」

引用:SUPER CEO https://superceo.jp/tokusyu/domestic/100372

ひと目で目をひく「ネーミング」「パッケージ」は、業界の常識をひっくり返して大ヒット!

定期的にファンイベントを開くことで、「メルマガ」に登場するお馴染みのスタッフと

ファンが交流するともっとファンになる。。。。

商品ごとに細かく設定したターゲットを決めることで、

熱狂的なファン(強烈なリピーター)を獲得することが出来るそうなのです。

万人受けするものならば、人は大手のビールメーカーに行くのが普通だからです。

まとめ!

みなさん、どうでしたか?

井出直行社長、とても以外な経歴の持ち主でしたね。

そして、その井出さんに「ヤッホーブルーイング」を任せ、

倒産寸前でも彼にその先を期待した星野代表もなかなか居ない経営者なのだと思います。

”クラフトビールの会社を続けるのが大事なのではなく、「目指す世界」に到達することが大事”

星野代表のこの言葉は、経営者が持つべき信念のようなものなのかも知れないですね。

『クラフトビールが目指す世界は、最初から共有していてスタートしている。

それを変えてまで、そこを目指せないのならやっている意味はない。』

最初に「クラフトビール」を造りたい。

「毎晩、こだわりのビールを飲む日常を」から生まれた「よなよなエール」。

そこから、さまざまな年代・性別・で人生を歩む人たちへのこだわりのビールを提供したい。

確実に根付いた日本のクラフトビールのファンが、これからもっと広がっていく事でしょう。

番組の初めに『「プレモル」しか飲まない。』と言い切ったMCの村上龍さんに

「それじゃ、終わってからちょっとだけ飲んでみてください。」といった

井出社長。

彼の、物言いの柔らかさと、自分達の商品にかける自信が感じられて

本人の語る 昔の ”常識のないヤツ” はカケラも見えてこないですね。

井出社長のもともとの人懐こっさの様なものと、ノリの良い明るさはもとより、

どん底からの復活とともに手にした ”人間力” とでもいうのか、

改めて、人は成長していけるのだと信じられる実例のように思いました。

それでは、また。

アイキャッチphoto by SUPER CEO https://superceo.jp/tokusyu/domestic/100372

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