こんにちは。ハルです。
今回は、「ガイアの夜明け」で ” 移住 ” が取り上げられます。
” 移住 ” といっても、国内の移住です。
コロナ禍のリモートワークなど新しい生活様式が広まる中、
今、都会から地方への移住をする人が増えているそうです。
ちょと昔は 、都心で働いて引退した後 老後の ” 第二の人生 ” を ゆったりと過ごすために
地元へ戻られる 「Uターン(帰郷者)」型の移住や、都市部から地方への「Iターン」型の移住
がほとんどでした。
それが今、変わってきているのだそうです。
各地で進められている ” ユニークな取り組み ” の中から、
栃木県 佐野市 (とちぎけん さのし)と 島根県 海士町(しまねけん あまちょう)を見ていきましょう!
栃木県 佐野市
栃木県佐野市は、栃木県の南西に位置する 面積 356 ㎢ 、人口は約11万人で
面積、人口共に栃木県では6番目に大きな自治体です。

栃木県の佐野市、、、「佐野らーめん」が有名なところですね。

佐野市の手厚い支援とは?
佐野市のユニークな 取り組みとは、ご当地名物の「佐野らーめん」を武器に
1人でも多く移住者を増やそうというもの。
ラーメンを武器に??? 観光ではなくて、移住に持っていけるの???
ちゃんとした企画が思い浮かばなくて、” もの珍しい ” ワードで人の興味をひこうとしているのでは? ( 失礼!!)
みなさん、違うみたいなんですよ!
単に、地域の魅力とか、自然があふれているとか、温暖で物価も安いとか、とか、とか、ではなくて、
引退後ではなく ” そこで、新たな生活の基盤を持つ ” ための支援や、
移り住んだあとの生活をしっかり考えての移住に取り組んでいるのです!!!
❖移住支援プロジェクト『佐野ラーメン予備校』!!!❖
✤ 佐野市への移住と「佐野らーめん」店の創業や事業承継をあわせて支援するプロジェクトです。
将来にわたって地元の経済を支える優秀な人材を輩出することで、誰もがイキイキと輝きながら暮らせる町を目指します。
素晴らしいスローガンですが、、、カリキュラムを見てみましょう!
ーカリキュラムー
⒈ 基礎研修・・・(約2ヶ月:全9回)佐野ラーメンん作り方から、店舗経営の基礎知識。
① 調理 / 佐野ラーメンの作り方はもちろん、1つ1つの食材の原材料や調理方法を学べる。
さらに美味しく見える盛り付け方を習得し、オリジナルラーメンの開発を手伝ってもらえる。

② 基本知識 / 佐野市・佐野らーめんの歴史や文化を学び、基礎知識・目指すラーメン店像まで学びます。
ラーメン店の収益構造、さらに目指すラーメン店のコンセプト作りやメニュー構成まで。
③ 申請 / ラーメン店を開業するにあたって必要な「食品衛生責任者」「食品営業許可」などの知識や
税金関係の申請・届出方法、さらに各種保険手続きまでレクチャー。
④ 経営 / 融資に必要な「事業計画書」の書き方や日々の原価計算のやり方、
さらに国や自治体から受けることの出来る 助成金、補助金の申請方法。
⑤ マーケティング / 入りたくなる店舗のデザインからメニューまで。
集客の方法:チラシ、WEB広告、WEBサイト活用方法まで。
⑥ 採用・育成 / 開業してから必要な「スタッフの採用・育成方法」や、
モチベーションを高める制度設計など。
⑦ サービス / らーめん店に必要な「接客マナー」や配膳・片付けの方法。
★ 移住サポート:家族構成や、働く予定先の店を考慮して住宅の紹介。子育て支援や、その手続き。

⒉ 本格修行・・・事業承継、独立開業
< A: 事業継承者向け > 継承予定先でラーメン作りの技術を学びます。
< B: 独立開業者向け > 独立開業を目指してラーメン作りの技術を学びます。
★ A・B どちらを選んでも、その習熟の状況に合わせてカウンセリングを実施し、悩み相談なども。
また、ラーメン店を経営する上で必要となる各種申請手続きのサポートも。
⒊ 開業サポート・・・継承・独立に必要な各種手続きのサポート。
また、独立開業時の「人材」「不動産」「システム」「資金運用計画」など。
★ 移住を始め、開業後の経営相談など全てにサポート!
かなりユニークな視点で始められた取り組みですが、とてもしっかりと組まれているカリキュラムなのですね。
どうです?
ちょっと昔、” 脱サラして「ラーメン屋」になる!!!” なんて言葉が流行りましたよね!
あてもなく、漠然と開業すれば「自分が社長」になるんだ!
というのとは全く違っていますよね。
そうです。。。。
移住も、 ” サステナブル ” ありきなのです。
島根県 海士町(あまちょう)

島根県の海士町 は、島根半島の北方 50km にある4つの島からなる「隠岐諸島(おきしょとう)」の
中之島 と呼ばれているとのが、島根県 隠岐郡 海士町 になります。
「海のサムライ」、、、海士、だそうです。
「1島 1町」の海士町!
島の全てが ” ユネスコ世界ジオパーク ” にも認定されるほどの美しく恵まれた自然があります。
東京23区の半分の面積に人口は 2300人が暮らしています。
(東京ドームに置き換えると半分も埋まらない人数となります。)
しかし、その人口の2割を移住者が占めている(7年間で779人が移住)ことでも有名なのです。
海士町(あまちょう)の取り組み
かつては、夕張市 か 海士町 か と言われたほど日本で最も 財政事情が悪い町の1つでした。
人口の流失と 財政破綻の危機の中、独自の 行財政改革・産業創出 で最も注目される島の1つです。
ー山内道雄 町長(やまうち みちお)の決死の覚悟ー

2002年、町長に就任した 山内道雄 (やまうち みちお)町長 は、
- 町長 の給与を 50% カット!
- 課長級 は 30% カット!
これは、公務員の給与水準としては 全国最低(2005年度)。
町の軸となる漁業なのに、離島であるが故に鮮度を保ったまま出荷することが難しかったのですが、
この資金を元手に 最新の冷凍技術 (CAS)を導入。
島で取れる 海産物をブランド化して全国をはじめ、海外へも展開することが出来るように。。。
「いわがき春香」が有名です。
こうして産業の振興、雇用の拡大に 成功しました。
ここから、Uターンの帰郷者や Iターンの移住者が徐々に増えていったのです。
ワーキングホリデイ、商店の担い手募集、職員、職人、その他 様々な移住のプロジェクトを提案している海士町。
移住にあたっての支援制度の充実にも力を入れています。
島のキーワードは『ないものはない』 の意味ですが、、、、
- ⒈ 無くてもよい
- ⒉ 必要なものは全てある
- ⒊ なければ作ればいい
ということなのだそうです。
ちなみに、「コンビニ」はないのだそうですよ! 😆😆
2010年には、「なぜか『勝ち組』若者が移住してくる離島」として、取り上げられたそうです。
そして、過疎・少子高齢化に苦しむ日本の地方の中で
「海士町」のように輝きを放つ市町村には共通項があるのだとか。。。。。
山内町長はいいます。
特に重要な3つの点を挙げるとすれば、1つは、リーダーの強い意志と行動力、2つ目は妥協のない財政削減、そして3つ目が苦しい中でも未来のために投資を怠らないことだ。この3つの条件とも、海士町は兼ね備えている。
しかし、海士町がほかの市町村と大きく違うのは4番目の理由においてである。よそ者を快く受け入れること――。これは簡単そうに見えて最も難しい。なぜなら安定し成熟した社会になればなるほどよそ者を嫌うものだからだ。
引用:JBpress https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39263
Iターンの人たちが向こうからやって来てくれました。この離島に仕事を求めて来る人なんかいるわけもない。彼らは仕事をつくりに来たんです。初めはこちらも斜めに見てましたよ。だけど彼らもまた本気でした。
よく言うでしょ。地域を元気にするのは「よそ者、若者、ばか者」だって。まさにそれですよ。いい意味で常識を覆すような力を持っていることがありますよね、彼らには。
引用:Kirari https://kirari38.net/town/twn010.html
「ないものはない」。なんにもありませんけどね、大事なものはみんなあるんです。水も米も塩も、そして人。そうはいってもちょっと前までは閉鎖的な島だったんですよ。開いてなんかなかった。開かされたんです。本気のIターンの力が勝ったの。彼らが気づかせてくれたものがたくさんあります。コンビニなんかあったら、もののありがたさがわからないでしょ。地域にこだわったコンセプトもない。地元も、それがわかってきたんですよ。
引用:Kirari https://kirari38.net/town/twn010.html
❖「大人の島留学」❖
島根県・隠岐島前3町村(海士町・西ノ島町・知夫村)では、
本格的に移住する前のお試しとして 1年間〜の「大人の島留学」プロジェクト。
★ 全国各地の社会人・学生を問わず、20代の若者を対象に 離島での1年間の就労型お試し移住制度。
1年間、島の一員として 島での仕事と暮らしに挑戦することができる。
★ 島留学中は、報酬:月額 15万円(年間180万円)
【 仕事内容 】
- 大人の島留学プロジェクト運営サポート業務
- ふるさと納税プロジェクト推進サポート業務
- 島食プロジェクト
- 一次産業チャレンジプロジェクト(岩ガキ「春香」、隠岐牛、農業など)
- 観光分野を起点とした外貨創出プロジェクト
- 空き家の活用を起点とした住宅魅力化プロジェクト
- 国際交流事業サポート業務
- 島の情報発信プロジェクト(主にライティング、SNSの運用など)
- その他(隠岐島前3町村で大人の島留学生として「こんなことにチャレンジしたい!」など。)
✽ 留学中は、町が管理する「シェアハウス」(男女別)が用意されていて、自己負担はなし。
❖ 「島体験」❖
本格移住の前のお試しで、3ヶ月〜のインターンシップ制度。
★全国各地の学生を対象とした、滞在型3ヶ月インターンシップ制度です。
週4日がインターンシップ生としての活動で、週1日は研修の場が設けられているため、
実践と研修の濃密な3ヶ月が体験できる。
★ 主な仕事内容は島留学と同じで、報酬はありませんが 生活支援金として 月額 ¥ 80,000円 が支給されます。
✤ 町が管理する「シェアハウス」(男女別)が用意されていて、自己負担はなし。
「キンニャモニャ」祭りの風景
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山内町長は、平成30年(2018年)任期満了で退任された際に退任式の挨拶でこう話されています。
平成14年から4期16年にわたる町政運営を振り返って、「海士町は、平成15年に合併しない宣言をした時から、今で言う『地方創生』に取り組んでいる。やっぱりあの時の、『自分たちの島は自分たちで守り、島の未来は自ら築く』という想いがすべての基本だと思っているし、私たちの考えは間違いではなかった」と、時には涙をにじませながら語り、 挨拶のしめくくりには、「これから大事なことは、地域でいかに“人間力”を育み、地域の未来を担う子どもたちを育てていくか。《物づくり×人づくり=持続可能な海士町》である。海士町が生き残るために、最後に問われるのは本気度だ。皆さんの本気度が未来をつくる!」
引用:隠岐國海士町 http://www.town.ama.shimane.jp/topics/6000/16.html
海士町に移り住んだ人たちは皆、口をそろえてこの町を話しています。
海士町は、「これから海士町を盛り上げよう!」という活気のあるところだと。
自然を楽しみ、癒されるだけじゃあなくて 海士町の良さを活かして持続可能な町づくりに参加が出来る、
「新しい挑戦をしたい!」人にはピッタリの環境が揃っているところなのだそうです。
「ないものはない!=必要なものは全てここにある」をスローガンに、産業、教育、観光など、まちづくりに取り組んでいます。そして今度は医療!
地元出身者、移住者がまぜこぜとなり、島の未来を、そして日本の未来に通じるモデル作りに取り組んでいます。
引用:移住スカウトサービスSMOUT https://smout.jp/areas/1479
みなさん、どう思いましたか?
離島の小さな島に住む人たちの熱量ではないですよね。
大きな歯車の中の一つではなくて、自分がこの島の一端を担うぐらいの手応えを感じている人々の
生の声です!
まとめ!
日本の、しかも小さな離島で こんなにもエネルギッシュに活動する若者たちがいるのですね。。。
正直、驚きでした。
コロナ禍が大きく変えた私たちの暮らし方、住まい方。
これまで通り仕事を続けながら地方に住むという ライフスタイルの新しい可能性。
国内でも海外でも、これまで大都市でしか暮らしたことのない私にはすごく新鮮な内容でした。
(隣に住んでいる方もよく知らないのが普通ですから、、、)
そこで ” 新しい挑戦 ” をしている方たちに混ざる、、、いやいや、だいぶハードルが高そうですけど、
どんな人たちがそこにいるのかを見てみたい気がしました。
きっと、魅力的な人達が暮らしを作っているのですよね。
『自分の未来も自分が作る』ですね!
アイキャッチphoto by Drive! NIPPON https://www.drivenippon.com/news/48226/
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